「プレゼントには手紙が欲しいです」とある女性が言った。人は手間をかけてくれることに飢えているんだな、と思った。
手紙を書いてくれているを想像するだけで嬉しくなるんです。私の為にって姿。
現代社会は、誰もがパッと浮かんだ感情を音声認識アプリにむかってしゃべり、テキスト化してSNSに放り込む時代。推敲という言葉が忘れ去られて久しい。それに対して、推敲して、一人の人間にだけ送るのが手紙だ。本書は作者が複数の人と文通しているつもりになって書いた手紙達の一部を抜粋した手紙集。
読めば、あなたも手紙の良さを実感し、レターセットを買いにいくことになるでしょう。
まえがき
「手紙が欲しい。」ある高級割烹で、給仕をしていた若くて美しい着物女性にプレゼントに貰うとしたら何がいい、と訊いた答えがこれであった。それ以来、手紙が頭から離れない。
本書は、作者がたくさんの人を相手に、普段から文通している手紙を抜粋した架空の手紙集である。
なんでもかんでも思いついたら、誰にどう影響するかも考えないで何処かへ発信する時代である。最近は、音声入力でテキスト化し、送信するだけで、もはや、文字を「打つ」ことすらしない。スマホは「言葉の痰壺」に堕している。そんな時代の流れに対する対照物として手紙を再考したい。